南相馬修道院からの便り

「原発の再稼働、大きな疑問

 

福島民報で2025年6月22日から連日、原発再稼働についての報道がありました。


新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働をめぐって、
原子力委員会の審査に合格した刈羽原発の6号機を
地元住民の了承さえ得られれば再稼働することが決定されました。
地元住民は、能登の地震のような大きな地盤のずれなどによって避難が困難な状況が想定されるとして、
東電が提示している避難の実効性に懸念ありと再稼働に難色を示しているようです。

また専門家も、原発事故は起こりうるとして警告しています。
国と東電は再稼働に前のめりになっているとも報道されています。
原発一基を再稼働させることによって、約一千億円の収支改善が見込めるために、
再稼働を経営再建の柱に据えているのです。
しかしひとたび事故が起これば、この経営再建の見込みも水の泡となります。
それだけでなく、どれほど多くの命を危険にさらすことになるかを考えると、
簡単には賛成と言いかねるのです。
新潟県は2025年11年21日に再稼働にGOサインを出しました。

「のど元過ぎれば熱さを忘れる」との慣用句はもう死語なのでしょうか?
15年経って津波の被災地は、一応の復興を見たとして、カリタスのベースも閉鎖したところもあります。
津波の被災地は県や市町村の努力で復興出来た地域も多いと思いますが、
原発事故の被災地は簡単ではありません。
まだまだ帰宅困難地域もあり、インフラの整備が不十分で帰還しようにも生活ができない現実があります。
また安全宣言がされても、放射能の見えない脅威は、簡単に人の心に安心をもたらしてはくれません。
特に若い世代、子育て世代にはまだまだ警戒心が強く残っています。

原発被災地の復興は100年単位の時間がかかることを覚悟しなければならないと思います。
再稼働や新規の設置をもくろんでいる政府の政策には、大きな疑問符をつけたいと思います。


「わたしの召命物語 -46年間の【暁の星】を終えて南相馬へ-

福山暁の星学院の事務局で29年間、
その前の教員としての働きを合わせるとなんと46年間暁の星にお世話になったことになります。
高校時代の3年間を合計すると、私は半世紀を暁の星で過ごしたことになります。
如何に言っても居座りすぎです。

これからまだまだ暁の星が続いていくためには、後継者が必要です。
私も76歳になっていましたので、
これ以上、労害を振りまくことは、暁の星のために決してプラスではないと思っていたところ、
神様は事務局長を引き受けてくださる方を送ってくださいました。

修道会の長上から「今後の使途職に希望がありますか?」と、
初めて私の希望を聞いてくださいました。
私は迷わず、「もし可能なら、原発事故の被災地フクシマに送っていただければ。」と答えました。
そして、長年希望し続けた望みが実現したのです。あの原発から吹き上がったキノコ雲から、
広島、長崎のキノコ雲が私の中で一つになって、
あのキノコ雲の下で苦しみ不安と戦っておられる人々と一緒に生きることを望ませたのです。
4、5歳の頃一緒に住んだ記憶のあるあのおばさんとおじさんの顔が思い出されました。
鏡に反射した閃光で両眼の視力を失ったおじさんとその介助に苦労しておられるおばさんのご苦労を思い出して、
福島でも同じでないにしても、大変な心労を抱えて生きておられる人々のことが思いやられました。

焦土と化した広島は70年草木が生えないと言われていたにもかかわらず、
真っ赤なカンナの花が咲き、雑草はすぐ芽を出したそうです。
私は毎月11日の月命日に、津波と原発の被災で居住不可となった村上地区を通って、
村上霊園のお墓参り行きます。墓参りしたくてもできない方の思いを心に抱いて。
夏にはその道路わきに真っ赤なカンナが咲いているので、いやでも広島の原爆を思い出させられます。
フクシマは、山林は除染されていないので、
地域によっては、今も自然の山菜は収穫も出荷もできません。
山菜の豊かな地域にもかかわらず、また山菜を採って生計を立てておられた農家さんが多いこの地域に。
なんと皮肉なことでしょう!!

ちょっと脱線しました。
私はこうして2018年3月に福島県南相馬市小高区に開設された援助マリア修道会の南相馬修道院に、
2019年4月に派遣されることになりました。
以前にも書いたと思いますが、この修道院は地元の方の、
「一緒に住んで、一緒に生きてほしい。明かりをつけてほしい」との要望に、
私たちの小さな力でも応えることができると、「共に生きる」ことを目的に創立されました。
私も高齢の身で大きなことはできないので、喜んで地域の中で生きることを望んで参りました。

ここに来て、一番のショックは、自分が何も知らなかったということです。
あれほど行きたいと望んで、福島のニュースは聞き逃さないように、
見逃さないように努めていたと思っていたのに、
国道沿いに並んで見える赤い鉄塔は東京電力の送電線で、
福島で発電して福島人は1アンペアも使うことなく首都圏に送られるということを聞いて、知らなかった!!!
考えてみれば東京電力だから、東京に送られるのは当然なのですが、そこまで頭は回っていなかった。
そしてここに来てくださる方が現地案内を終えて、異口同音に言われることがこのことで、
みんな私とそう変わらない程度の知識なんだと。変に納得。

今日はここまで、皆さん良いクリスマスと新年をお迎えください。

援助マリア修道会 南相馬修道院 北村令子






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